砂漠の陰から

砂漠の陰から

広大な砂漠のような社会の陰でちまちまと生きていくブログ

雑記:本当にやりたかったこと

ぼくが本当にやりたかったことってなんだろう、と考えることがあります。最近は特に多いです。
幸運にも、学生の頃に志した職業に就くことができましたので、そこは幸せと思っています。
でもまあ、考えてみれば当たり前なんですが、いざ社会に出てみるとこの世界は広い。色んな職業がある。仕事柄たくさんの職種の方とお話しする機会があって、より強く痛感しています。

こんなに世界は広がっているのに、学生の時分に狭い視野で決めた職業にしがみついているのは正しいことなのか?ぼくにもっと合う職業があるんじゃないか?
そんな気持ちがないとは言えません。

結局のところ、税理士という職がぼくに合っていないのでは?と悩むことがあります。
士業に求められる能力に、コミュニケーション能力があります。仕事を自分で取ってくること、人脈を作っていくことが非常に重要です。そんな超絶最重要スキルを、自分が持っているとは思えない。

しかし、仕事上は求められるワケです。社長にとってみれば、会社の血液とも言えるオカネを預ける相手です。信頼関係が大事です。
コミュニケーション能力とは、単に雑談力だけではなく、真摯に相手と向き合う能力と思っています。できてるんでしょうかね。わからない。

仕事上で扱う金額も大きいです。数千万、場合によっては億を超える投資や取引について、アドバイスを求められることもあります。
最終的に判断するのは、あくまで社長自身です。しかし、自分の言葉一つで、お客様の会社が傾くことがあればどれだけの人が露頭に迷うことになるのでしょうか?それを受け止める責任感はあるのか?
胸を張って「イエス」と言えない自分がいます。


最近、こんな本を読みました。
お金と仕事の原理原則を改めて教えてくれる良書でした。「仕事の価値」を考えさせてくれる本なんですね。

内容がよくわからんけど稼げる投資先にオカネを預けてくれれば、働かなくても暮らしていけるようになる!という、胡散臭さがマックスな儲け話を真に受けて、そして失敗をして、その出来事を通して仕事をする幸福感と達成感を学ぶという流れが大まかなあらすじです。
主人公のゾウ(この本は登場人物が全員ゾウです)はパン屋を営んでいます。失敗を経てどん底を経験したとき、改めてお客様の笑顔や喜びを思い出してやりがいを見つけ出します。


ぼくの今の仕事のやりがいってなんなんだろう。
顧問契約を結んで、定期的に監査やお話をさせていただくことが主な業務ですが、その中でやりがいを感じることはなんだろう。

今の業務内容は、上司と一緒に監査をすることが多いです。単純にお客様の規模が大きいから一人では監査しきれないというのもありますが、引継ぎの意味も兼ねています。
今の上司は、いろんなお客様ともう20年くらい一緒に仕事をしています。お客様のほうで何か悩みがあれば、当然ですがまず上司にお話を聞きにいきます。
今後、引継ぎをする上では20年かけて築かれた蜜月の関係の中に割って入っていく必要があるワケです。


自信がない。
法人税の申告書は書けますが、税務調査の経験が少ない。
相続人の方とコミュニケーションを取りつつ、相続をまとめた経験も少ない。トラブルが起きた、ヒリヒリするような案件も少ない。


もっと言えば、お客様から「頼られた」経験が少ない。
いまは下積みとも言えるような状態かもしれません。

パン屋さんがお客様の笑顔を見てやりがいを感じるように、ぼくが仕事を通して達成感を得たことが少なくて
それを欲しているんだなと自己分析しています。

ぼくもパン屋さんになっていたら、仕事は大変に決まっているけども、それでも「お客様からの笑顔や感謝」を感じることができたのかな。



なんだろう。
もっと社会の役に立っているような実感が欲しい。

今はただ、頑張るしかないんでしょうね。