砂漠の陰から

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広大な砂漠のような社会の陰でちまちまと生きていくブログ

ゲーム:とあるMMOで色んなギルドを渡り歩いた話

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MMORPGにおいて「ギルド」「チーム」というものはつきものです。FF14ではいわゆる「フリーカンパニー」ですね。プレイヤー同士が集まって共同体を作り、交流を深めていく組織のようなもの。MMORPGの醍醐味といっても過言ではありません。居心地のいいギルドで気の合う仲間を見つけることができれば、ゲームライフは更に充実したものになります。ギルドに入る人もきっとそれを求めて来ているはず。


僕はとあるMMORPGをプレイしていました。スマートフォン用のものです。僕の中のMMORPGのイメージは、子どものころプレイしたRED STONEというゲーム。いまやスマホMMORPGがプレイできる時代です。あまりスマホでゲームをプレイしていなかったのだけど、MMOのなつかしさにひかれてプレイを始めました。今はもう引退しましたが、それがあったからこそFF14を始めることがあったのかもしれません。


今回はそのゲーム(以下スマホRPGと書きます)でギルドを渡り歩き、感じたことを書き残しておきたいと思います。


内容がネガティブになるけど、ごめんね!こういう人もいるっていうことで

同時期に入った人がどんどん輪に加わっていく

スマホRPGを初めて二週間くらいして、ギルドに入りたいなと思い始めました。そのゲームは、ギルドに入ることでお金や素材を手に入れることができたのです。ギルドに入る恩恵だけを受けたいソロプレイヤー向けのギルド(いわゆる無言ギルド)もありましたが、どうせならチャットもできたらいいなという軽い理由でギルドを探しました。


ギルド側も、人数が増えればギルドをレベルアップさせるための資材のようなものを手に入れることができるため、幸いにもギルドメンバー募集はたくさんありました。とりあえず適当なギルドに目をつけ、入れてもらったのです。


もともと自由な気風のギルドで人の出入りは多かったのもあり、僕の入った翌日ぐらいに新しく同じ初心者のAさん(仮名)が入ってきました。
このAさん、コミュニケーション能力が高くあっという間にギルドに馴染んでいきます。一週間くらい経ったあとには、主要なギルドメンバーからはあだ名で呼ばれるような仲になっていました。


一方で、僕はそのころリアルの事情もあって少しログインできませんでした。久しぶりにインしたときに、Aさんがみんなとワイワイしているのを見て「なんで同じ時期に入ったのにこんなに違うんだ」という嫉妬を感じました。その後、自分も輪に入れるよう努力していたつもりですが、どうしてもうまく馴染めている気がしない。一方でAさんは一部の人からはあだ名で呼ばれ、かわいがられている。このままこのギルドにいてもストレスを感じるだけだと考え、ギルドを脱退することにしました。


ギルドメンバーの方たちは決して僕だけをのけ者にしようとしていたわけではありません。挨拶しても皆さん返事してくれますし、いい人ばかりでした。僕が勝手にAさんに嫉妬して、勝手にストレスを感じていただけでAさんもなにも悪くありません。悪いのは僕のほうです。人見知りで嫉妬深いって、罪すぎる。今でもそう思います。コミュ力おばけのAさんを目の当たりにして、僕は自分の卑屈さを痛感するのでした。

初心者だからこそ会話に入れない

これはどのMMORPGにも言えることかもしれませんが、ギルドメンバーがエンドコンテンツの話をしているときはだいたい初心者は話に入れませんよね。先述したギルドもその傾向がありました。初心者がその内容をいちいち質問して、話の腰を折るのもなんだか申し訳ない気がします。エンドコンテンツの話題は、まだその段階まで進めていない人にとっては入りづらい内容です(Aさんはそれでも会話に加わっていたツワモノ)


「うちのギルド、チャットが盛んです!」という謳い文句がたまにあるけど、どんな内容で盛り上がっているかにもよりますよね。好きなラーメンの話で盛り上がっているのか、エンドコンテンツの話で盛り上がっているのかで入りやすさが全然違う。募集段階でそこまでギルド内の雰囲気を紹介しているところは少ないので、飛び込んでみないとわからないという側面はあります。


もちろん、ゲーム内のギルドなので、ゲームの話をしたいと思うのは当然です。エンドコンテンツの話をするなとは言えない。それでも、何気ない雑談もできるようなギルドがあればなあと当時は思いました。

少人数こその馴染みやすさ

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さて、最初のギルドを脱退して次に入ったギルドは、アクティブが少人数のギルドでした。ギルドメンバー自体は40人ほど在籍していたのですが、最終ログインは2週間以上前のメンバーが半数近くでした。実質15人くらいのアクティブ人数だった覚えがあります。


そのスマホRPGにおけるギルドは、少人数ギルドであるメリットは全くありませんでした。ギルドメンバーのスタミナ消費量の総数に応じて素材が手に入る仕組みなので、人数が多ければ多いほど有利です(最初に入ったギルドは定員である50名ギリギリでした)。それでもそのギルドのマスターさんは、ログインしなくなった人をすぐには追放しませんでした。


実はこのギルドマスターさんがすごく良い人で、ギルドメンバーに対して気を使ってくれるし、初心者の僕たちにたいしてもいろんなことをていねいに教えてくれる人でした。僕もこのギルドは居心地がよく、また少人数であることもあってかすぐ馴染むことができました。僕が入ったあとも初心者さんが継続的に入ってきて、自分も微力ながら「このギルドをもっと盛り上げたい」と感じるようになりました。


しかし、このギルドに入って3か月くらい経ったときでしょうか。
ギルドマスターから「このギルドを解散しようと思います」という発表がありました。


聞けば、「全員参加してほしいのに、挨拶すらしない人がいる」ということ。
実はこのギルドはインしたときに挨拶必須というルールがあったのですが、一部の人は挨拶もせずずっと無言だったのです。ギルドの説明としても「会話好きな人が集まる」という触れ込みであったため、マスターとしてはギルドメンバー全員で楽しく交流しながらプレイしたかったのに、幽霊部員のようなかたちで所属していた人がいたのです。これがどうしてもストレスになったこと、自身もマスターの責務に追われてゲームを楽しくプレイできなくなったということでした。僕を含め新しく入ってきた新人さんはわりとチャットに参加していたのですが、前から所属していたであろう古参の人の一部が、どうやらモチベ低下やらで幽霊部員のようなかたちになってしまったようです。


今思えば、僕らはマスターにおんぶにだっこでした。そのマスターも、もともとは別の初代マスターがいて、その初代マスターが蒸発したときに後を継いでマスターになった2代目らしいです。そのころから緩やかに活気がなくなっていって、一度は僕を含めた初心者を呼び込んで活性化させようとしていたけど、かつての活気は戻らないと感じたと言っていました。
かくして、ようやく見つけた居心地のいいギルドも解散することになってしまったのです。

※追記
ギルドの幽霊部員について記事を書きました。

sunaneco.hatenablog.jp

完成されたグループに入っていく「勇気」

こうして居心地のよかったギルドが解散したあと、僕は次の居場所を求めて三度ギルドに入ります。


正直、前のギルドで馴染めたので他のギルドも行けるやろ!と思っていた節がありました。
そして意気揚々とギルドに入隊して、挨拶をした僕に待っていたのはスタンプ(LINEスタンプのようなもの)で溢れかえるチャットログ。
前のギルドがまったりとログが流れていただけに、その違いすぎる空気感に頭がくらくらする僕。ギルドによって雰囲気は違うと思っていたのですが、このギルドは超ノリノリのテンションがクッソ高い陽キャギルドだったわけです。このとき、「ここでやっていけるのかな…」と不安がMAXになったのは言うまでもありません。


それでも日々スタンプ爆撃がなされるチャット欄に疲弊するもなんとかやっていた僕に、ある日個人チャットが飛んできます。
それは、解散したギルドに加入していたBさん(仮名)からの個人チャットでした。


Bさん「すなねこさん。お久しぶりです!」

すなねこ「あ、お久しぶりです!どうかされましたか?」

Bさん「…あの、今入っているギルド、どんな感じですか?」


確かこんな感じの会話。Bさんからのチャットの内容は、端的に言えば「今いるギルド抜けてこっち(Bさんの所属ギルド)に入らないか?」という趣旨のものでした。

別のギルドへの誘い、そして引退

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Bさんからのギルドへの誘い。僕は迷いましたが、今の陽キャギルドは正直自分と合わないなと感じていたので、受けることにしました。すぐさま承諾した僕を見てBさんはびっくりしたようですが、察してすぐ「マスターと話つけてきます!」と言ってくれました。

ほどなくギルドを移ることができました。Bさんがいたギルドは、居心地がよかったギルドと陽キャギルドの中間みたいな感じのギルドでしたね。下ネタが多かったけど、それでも自分は悪くないなと思えていました。ここならまたのんびりやっていけるかなと思い始めた矢先のことです。ある事件が起きました。


Bさんがいない


ある日、ギルドメンバーからBさんの名前がなくなっていました。
チャットでBさんはどうしたのかと聞くと、「別のギルドに体験行ったよ」とのこと。


体験??


どうやら、そのスマホRPGでは有名だったトップギルドに体験に行ったとのことでした。ギルドメンバー曰く、「1週間くらいで戻ってくるらしい」ということですが、僕は嫌な予感しかしていませんでした。そして、その嫌な予感が的中したのか、Bさんは1週間どころか1ヵ月経っても戻ってくることはありませんでした。


この頃には、僕自身もこのスマホRPGを続けるモチベもなくなっていました。最後にガチャを引けるだけ引いて、ギルドを脱退して、そっとスマホRPGのアプリを削除しました。

おわりに

今思うと、ゲーム自体は楽しかったのですが、ギルドに加入しないと損をするような仕組みだったこと、そしてそのギルド自体も大人数で組むことを前提としたシステムだったところが僕に合わなかったのかなと感じます。


コミュ力おばけのAさんのような人になりたい人生だった。
いやー、ほんとAさんすごかったな…